ソラのカケラ

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日記と共に自作小説を載せています♪たまに読んだ本の紹介もしています。イラストとかも載せていくつもりです。怖い話募集中

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リハビリ・三題噺1

  • 2011.05
  • 15

Edit264

三題噺メーカーでお題決定しました。
お題:昼、指輪、歪んだ殺戮
ジャンル:百合

改善点などバンバン書いてください!!
以下本文。微グロ注意です。


 少しお昼には早いくらいの時間帯。閑静な住宅街は時折、子どもの笑い声が聞こえてくる程度で静かなものだ。
「ふふふ。帰ってくるのだいぶ久しぶりになっちゃったな」
 春の日差しが優しく降り注ぐ中を一人の少女が懐かしむように呟きながら歩いていた。ボストンバックを下げながら腰に届きそうなほどに伸ばした綺麗な黒髪を春風になびかせている。爽やかな白いワンピースから涼しげに晒す腕の日焼け知らずな白い肌が深層の令嬢という雰囲気を醸し出していた。
「おぉ。変わってない変わってない」
 少女が立ち止ったのはその住宅街の一角にある表札に『森野』が掲げられた一軒の家だった。あまり地価の高い土地ではないため比較的、広い敷地を持っている。私立の中学校で寮に入ってから六年間、自分の意思で一度も帰ってこなかった。昔は白かった壁も時間とともに汚れが目立つようになっていた。少女がこの家を去る際にもすでに白さは薄れてきていたが今ほどの様相は見せていなかった。
「うわー。自分の家なのに緊張する!」
 少女――真美は恋する少女の体でインターフォンを押すのを躊躇っていた。すると、
「行ってきまーす!」
 門扉の中、家の扉が開き一人の少女が出てくる。真美とよく似た、しかし、真美が美しいと称するのがピッタリであるのに対し、こちらの少女は可愛いという称賛が似合う顔立ちだ。
 しばらくお互いに見つめ合い、時間が止まったように硬直し続けたあと、最初に動きだしたのは真美だった。
「わぁ! 真愛! 可愛いまんまだ! 久しぶり! 会いたかったよぉ!」
 いきなり、門扉を壊さんがばかりに押し開き、呆然とする真愛と呼ばれた少女に駆け寄って飛びつき、言いたいことを吐き出す。
「ちょっと真美! 真美の方が身体大きいんだから飛びつくな! お帰り! 会いたかったよ!」
 真愛も、真美を受け止めきれず、玄関に尻餅をつきながらも真美を抱きしめて言葉を吐き出す。

「まったく、一卵性の双子だってのにこんなに違っちゃうもんなのねぇ。まぁ、私に似てどっちも可愛くて美人だけど」
 玄関で騒いでいるところを、訝しげにのぞきにきた母親にリビングに引っ張ってこられての第一声である。
「にしても、六年も会わないと全然別人ね。こんなに奇麗になって、男の子も放っておかないでしょ? 彼氏の一人や二人できたんじゃないの?」
 母親が色恋の話をしていると若返って見えると、娘二人は揃って思ったものの口に出すことはしなかった。
「あ、ちょっとごめん。彼氏に電話してきちゃう」
 真愛が思い出したように席を立つ。
「かれ……し……?」
「二年くらい前から付き合ってるのよねー。お母さんはそう遠くないうちに結婚するためにうちに連れてくるんじゃないかと踏んでるわ!」
 真美が愕然としたように呟くと母親が説明を始めた。
「ちょっと、お母さん。勝手にべらべらしゃべらないでよね!」
 頬をほのかに朱に染めて真愛が扉から顔を覗かせてどなってくる。
「否定しないってことは図星なのかしらね」
「でーんーわーちゅー。答えられませ~ん」
 真愛の返事を聞いて、年齢不相応に少女のような表情で母親が笑う。真美も一緒に笑みを浮かべていた。
「今日は断ってきたから六年分、真美とたっぷり話せるよ! 真美はいつまでうちにいるの?」
 「うーん。一週間くらいかな?」
 真美と真愛のやり取りを皮切りに、姦しく六年間積もりに積もった話を日が暮れるまで吐き出し続けた。

「今日はちょっと出かけてくるね」
 六日目の午前中、真美はそう言って出かけて行った。小学校の頃の友人に会ってくるのだという。共通の友人なら一緒に行くと言ったが、真愛の知らない相手だというので引き下がった。同じ学校で双子とはいえ、部活も違う二人では違う友人もいるだろうと真菜は何の疑問も持たなかった。
「じゃあ、お母さん。私も出掛けてくるね」
 そう言って、彼氏の自宅に向かう。先日真美が来てお流れになった埋めあわせだ。

 彼氏の家に着くといつものようにインターフォンを押す。
 十秒。二十秒。反応が返ってくる様子はなかった
「……?」
 事前のうちに今日行くということは決めてあったし昨日だってメールで話した。そのうえ日程を決めたのは彼氏の方であった。トイレで出てこれないのかもしれないと思い、試しに扉を引くと鍵の抵抗もなくすんなりと開いた。
「なんだ。やっぱトイレかな?」
 お邪魔します、と大声で家に入る旨を伝えると玄関に入って扉を閉めた。すると異臭が鼻をついた。嗅ぎ覚えのある臭いではあるのだが何のにおいだったか思い出せない。
 それ以上深くは考えず勝手知ったる他人の家である。迷うことなくリビングの扉を開く。そこに広がる赤い海を見て臭いの正体を思い出した。この鉄が錆びたような匂いは血のにおいである。キッチンの方からのぞく動かない足と思しきものは彼氏の母親のものであろう。踵を返し階段を駆け上がる。勢いよく開くのは彼氏の部屋。そこに転がっていたのは変わり果てた彼氏だった。
「あ……あぁ……」
 眼前の現実を理解する前に後ろから衣擦れの音が聞こえ反射的に振り向く。
「……ま…………み?」
 笑った真美が立っていた。
「真愛。邪魔なやつはいなくなったよ? もう安心だよ? 私と真愛を邪魔するやつはいなくなったの!」
 始めてみるかもしれないというほど晴れ晴れとした笑みだった。だが、この状況で地を滴らせて紅く染まった包丁を握ってのそれは恐怖以外の何物でもなかった。
「ほんと、その男図々しいんだから。こんなものまで用意して真愛を誘惑しようだなんて。」
 そう言って真美が放ったのは小さな銀色の金属だった。おそらく元は指輪だったのであろう曲がりくねっているが辛うじて環状になっていることとダイヤを抱えていたのであろう台座の存在だけを見てとれた。
「いや……なんで……?」
 真愛が首を振りながら後ずさりを始めると、笑顔だった真美が一変して無表情になった。
「まだその男が残ってるの? そうかそこかぁ」
 真美が腰だめに包丁を抱えて体当たりの態勢をとったのを見て真愛はさらに後ずさろうとするが横たわる遺体に躓き仰向けに転んでしまった。
「そんな男、殺してあげる。全部全部、殺してあげる。真愛のお腹に中にいる奴全部!」
 マウントポジションをとった真美が真愛の腹部に包丁を突き刺す。何度も何度も。真菜が息絶えているのも気付かずにひたすら、包丁を上下に動かし続けていた。

 そこは夕日に染められていた。
 きれいな夕日に照らされるなか一人の少女が横たわっていた。その胸にいびつな球体を抱きながら。その左手の薬指にはシンプルな金色の指輪が夕日に照らされて輝いている。
 その少女の傍らに転がる手首から先しかない左手の薬指にも同じ指輪が輝いていた。


うん。
あのお題だとナイスボートなあれしか頭に浮かばないのですよ。
最初に真菜の名前を真(まこと)にしようと思ったレベルで(殴
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イフト ソラ

Author:イフト ソラ
▽呼び方:ソラとお呼びください
▽年齢:18 (大学1年生)
▽誕生日:1月16日
▽所属:心理学科
▽夢:小説家
▽趣味:読書(お気に入りのジャンルは異世界モノや近未来モノ等のファンタジー。ハードカバーもライトノベルも読みます。)
▽最近のお気に入り
・ムシウタ(角川スニーカー文庫)
心霊探偵八雲(文芸社)
・しにがみのバラッド。(電撃文庫)
▽好きな食べ物・飲み物:甘いもの全般(特にチョコレート、クッキー)・牛乳、ココア、ミルクティー、炭酸飲料
▽skype表示名:ソラ
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